きょう

花束みたいな恋をしたのきょうのレビュー・感想・評価

花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)
4.3
● なるほどこれは恋愛映画であり文学映画だ
● 文系脳の自覚があれば楽しみ120%
● 2時間で得られるエモ体験は上質

今更この爆売れ映画を見る。
普段恋愛映画は敬遠しがちだが始まって数分で直感した。これは文学作品の映像化なのだと。

一組のカップルの始まりと終わり。それを描くだけなのだが、カットの一つ一つが美しい。恋の始まりはこれでもかというほど眩しく、そして若々しい。その様は、既に過去となってしまった私にはナイフのように刺さる刺さる…。

特に感じたのは小道具の使い方がうまい。"浅い"大人が飲むビール、お揃いのスニーカーに使うことのなかった天竺鼠のチケット。その物が持つ意味は言わずもがな伝わるしセリフではなく画で伝えるこういうタイプの作品は良い。
アンチながら見、アンチ倍速視聴の私からすれば歓迎だ。

かなり好みなつくりではあるのだが、理系に偏った脳の私から見ると、本作の主人公である麦と絹の感性は根底で合わない。
あ、それこそ根がない花束みたいかもなぁ。
きょう

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