人里離れた場所にある、亡くなった人の魂が集まる小屋と、そこで働く職員。あれ、この設定って、1999年に公開された是枝裕和監督作品「ワンダフルライフ」にそっくりなのだが???
と、思って調べてみた所、本作が初監督作となる日系ブラジル人のエディソン・オダによれば「ワンダフルライフ」から強い影響を受けて作ったのだそう。
死にゆく魂、その運命を司る謎の人物、、、、この辺りの設定は、1946年の「素晴らしき哉、人生!」から様々な作品に受け継がれており、人生の価値を問う名作も少なくない。
本作は、2020年の作品という事で、アベンジャーズでもお馴染みの中国系俳優ベネディクト・ウォンを筆頭に、人種の壁を越えたドラマになっているのが特徴。また「素晴らしき哉~」みたいに極端なファンタジー設定ではなく、古ぼけた小屋と、VHSに記録された記憶の映像等、ミニシアター映えしそうなノスタルジックな演出が多用されている。
バラバラに見えていた登場人物のドラマが交わっていく終盤の展開は、哲学的かつドラマティック。全く存在を知らなかったが、Netflixで発見できてラッキーだった。