このレビューはネタバレを含みます
子どもを主人公とする映画はごまんとあるが、その多くが大人の慰めの道具に終始してしまうケースは残念ながら少なくない。その中で本作は子どもを大人と対等に扱い、同じひとりの人間として向き合っている点に好感を得た。茂みの中でジョニーがジェシーに対して感情を爆発させても良いと言う終盤のシーン。2人の姿がシンメトリーに映し出されたショットがそれを象徴している。
大人だろうが子どもだろうが、未来が見えず、不安も期待も抱くのは変わらない。年齢を重ねたことによって視野が少しずつ狭くなっていくだけのことである。だからこそ、いつでもどんなときでも、前へ前へ進んでいくことが重要なのだ。そんな単なる感動映画もなければ、人が生きる意味を説いた啓発映画でもない、生きることそれ自体が何なのかを考えさせる映画だった。