エイデン

アントマン&ワスプ:クアントマニアのエイデンのネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

“アベンジャーズ”の一員として世界を救ったことで有名になったスコット・ラング(“アントマン”)と、その恋人ホープ・ヴァン・ダイン(“ワスプ”)は、一躍有名人となっていた
スコットは名声を手に入れ、ホープは罪も免除され父のハンク・ピム博士、“量子の世界”から帰還した母のジャネット共に幸せな日々を送る
全てが順調に見えたものの、スコットは愛する娘キャシーとの関係に頭を抱えていた
ヒーロー一家に生まれたキャシーは正義感が強すぎるあまり暴走気味で、普通に成長してほしいスコットとぶつかってしまうことも少なくなかったのだ
ある日 自伝本の講演会に出ていたスコットは、キャシーが警察に捕まったという知らせを聞き、ホープと共に警察署へ向かう
保釈されたキャシーは、立ち退きを命じられたホームレスのため、“ピム粒子”による縮小化技術を勝手に使っていた
頭を悩ませるスコットは、キャシーやホープ、ハンク、ジャネットと食事をするが、そこである事実を知る
実は“指パッチン(デシメーション)”の影響で皆が消えてしまっていた5年間の間、量子の世界を研究していたキャシーは、ハンクやホープと共に量子の世界を覗き見る装置を開発していたのだ
それは心配するスコットや、量子の世界での30年の出来事を頑なに話そうとしないジャネットにも黙っていたことだったが、素晴らしい才能に2人もそれを認める
ところが装置の仕組みが、量子の世界へ信号を送るものだと知ったジャネットは顔色を変え、今すぐ装置を止めるよう命令
戸惑いながらもそれに従ったキャシーだったが、突如として装置が光を放ち、周囲のものを次々と縮小させながら吸い込み始める
そして抵抗も虚しくスコットらもその中へと吸い込まれてしまうのだった
やがて目を覚ましたスコットはここが量子の世界であると気付き、キャシーと合流するも、ホープ達とははぐれてしまう
あてもなく皆を探していた2人は、そこで奇妙な知的生命体の一段と遭遇
彼らのコミュニティに連れて行かれた2人は、ヴェブというアメーバのような生き物の体液を飲まされたことで意思疎通が可能となり、コミュニティを率いている戦士ジェンドーラ、テレパス能力を持つクアズと出会う
スコットとキャシーは、彼らからこの量子の世界が自分達と同じく外からやって来た強大な力を持つ存在“征服者カーン”に脅かされていることを知る
一方 ホープとハンクは、ジャネットの導きで量子の世界を冒険しながらスコットとキャシー、そして脱出の手段を探していた
その中でジャネットがカーンに付け狙われていることが判明
かつて量子の世界でジャネットが体験したある出来事が、カーンの脅威を呼び寄せ始める



マーベル・シネマティック・ユニバース31作目

フェーズ5幕開けはアントマン
そして立ちはだかるのは、“インフィニティ・サーガ”の“サノス”に続く、新たな最強のヴィラン 征服者カーン
これまでのファミリームービーノリから一転し、極小の量子世界を舞台にした壮大な物語が展開される

やはり注目は早々に対峙することとなった征服者カーン
ドラマ『ロキ』にて“在り続ける者”としてMCUの正史にあたる“神聖時間軸”を守護し、マルチバースの発生を未然に防いでいた組織“TVA”の指導者として登場
そこで語られたように、今回のカーンは未来の超技術を用い量子世界を支配、強大な軍勢を率いる強敵として再定義されてる
これがもう映像化されるととんでもない強さ
サノスの時もそうだけど、ある種の独善的な使命感に燃える悪党なので、その必死さと容赦無さが怖い
またもう1人のヴィランとして、“M.O.D.O.K.(モードック)”も初登場
巨大な顔面と幼児みたいな身体を最新鋭アーマーで支える、いかにも実写化が難しそうなコミック風のコミカルな風貌を持つキャラクターである
『アイアンマン3』で彼が率いる組織“A.I.M.(エイム)”が名前だけ使われてたので、もう実写化諦めたかと思ってたけど、MCU特有の上手すぎるこじつけで登場
コミカルでプライド高く見てて愉快なキャラに仕上がってるのはさすがだった

それに対するスコットやホープらヒーロー一家だけど、戦力差は凄まじく絶望的な戦いに
それでもヒーローたらんという正義感と家犯してしまった過ちに終止符を打つという、これまでのシリーズのテーマ性を踏襲するのは上手い
スコットと大きくなったキャシーとの親子愛、秘密を抱えるジャネットの家族愛など、量子サイズになっても等身大な愛情ベースのストーリーに纏まってるのは面白かった

とはいえ強大な敵の到来や見たこともない量子世界の冒険を引けばスタンダードなヒーロー映画になってるので、面白いけどそれ以上ではない印象
やや暗めな展開が多かった最近のシリーズの中でもマイペースを保ってくれたことや、新たな展開への期待と不安を両立させたラストは評価するけど
そんな長年シリーズをやっていての飽きみたいなものも確かに感じるけど、地に足着いたエンタメ性もある作品なので観ましょう
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