開明獣

ヒットマン:レジェンド 憎しみの銃弾の開明獣のレビュー・感想・評価

5.0
「数字の5は完璧な番号」

イタリアの著名コミックアーチスト、イゴール・ツヴェリが監督した、マフィア・アクションなんだけど、「マックスペイン」や「シンシティ」なんかと同列に比べられて低評価なのが残念!!

ジュッゼッペ・トルナトーレの初期作品とかもそうだけど、元々イタリアにはヴェリズモ=写実主義の伝統から出発していて、それをスタイリッシュに捻ってるのが本作。ポスト・モダンの作家、イタロ・カルヴィーノも最初は、パヴェーゼから影響を受けたヴェリズモだったんだけど、徐々にズレや捻りを効かせるようになったもので、それに近しい(本当は大分違うけど💦)

イゴールはコミックアーチストとして著名だが、とても知日派で、村上春樹の「パン屋再襲撃」のイタリア語版の挿絵も描いているスタイリッシュな芸術家。それに、ナポリでは今も根強く残るマフィアのファミリーに関わる悲劇をブレンドしたものなので、イタリアンドラマとして観ると、非常に秀逸。

ただの陳腐な企画だったら、トニ・セルヴィッロ始めとするイタリアの名優たちが参加するはずもない。

シチリアやイタリア南部のマフィアは、日本のヤクザが裸足で逃げ出すほど冷酷・残忍で、今も大きな影響を持ち続けている。そんなマフィアの抗争は写実的に、でも描写はイタリアンテイストな映像で魅せてくれる。脚本も名台詞のオンパレード。

ハリウッド作品と比べるべきではないのに、ある意味、気の毒な作品。邦題も無惨。これほどいい加減なのも稀有かもしれない。つけたやつは冥王星に島流しにしちゃる!!💢

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