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エルヴィスのcinemakinoriのレビュー・感想・評価

エルヴィス(2022年製作の映画)
3.5




“世の中が危険な時は 歌に託せ”






ビートルズ、ボブ・ディラン、フレディ・マーキュリー、マイケル・ジャクソン、ジェームズ・ブラウン、ボブ・マーリー、ジミ・ヘンドリックス、レイ・チャールズ、、、などなど。

伝説と言われるアーティストの中でもトップ3に入るであろうロックアーティスト

【エルヴィス・プレスリー】


そんなロックの伝道師的存在の半生を描いた史実エンターテインメント作品。



正直、全く世代ではなく、私個人の伝説的アーティストと言えば“ボブ・マーリー”がダントツで、エルヴィスに至っては殆ど自発的に曲を聴いてきた記憶がない。

そんな私でも、何十曲かは嫌でも勝手に耳に入ってきて知っているものも多く、劇中に流れる曲の殆どに聴き覚えがあったのに衝撃を受けた。
正にそれが史上最も売れたソロアーティストのレガシーであり所以なのだなぁと。



そもそも
トム・ハンクス演じるトム・パーカー“大佐”の存在すら知らなかったので、あれだけのスーパースターが来日は愚か、海外公演すらしていなかった事実(カナダ公演を除く)を知れただけでも観た価値がある。
私のように全く通り過ぎていない者でも、そう言う背景を知ることは、アーティストを知る(或いは好きになる)上でとても重要なスパイスでありプロセスだなぁと再認識させられた。





ビッグアーティストに壮絶な裏物語あり。


順風満帆にその道のりを辿るスーパースターなど皆無に等しい。

圧力、社会情勢、コンプライアンス、メディア、利害損得、そして誘惑や陥落。
果てのドラッグやギャンブルやスキャンダル。

ピュアなロックンロール魂であればあるほど、それを利用する周りとの温度差に苛まれ、悩み、孤独を味わい見失ってしまう繊細な心の持ち主なのだろう。

突出した才であればあるほど、セオリーやコンプラや普遍や一般的思考を嫌うもの。
だからこそ組織や社会との協調が困難であり、逃げ場が意もせぬ方向へと逸れてしまうのかもしれない。




この映画を見終えたあと、世代的な感覚なのかは分からんが、日本の伝説的ロックンローラー“忌野清志郎”が妙に聴きたくなってしまったのは何故だろうw





総じて
比較対象作品かは別として【ボヘミアン・ラプソディ】程の興奮や感動は得られなかったかな。
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