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ウトヤ島、7月22日のcinemakinoriのレビュー・感想・評価

ウトヤ島、7月22日(2018年製作の映画)
3.9


こんなにも凄惨な事件があった事を全く知らなかったので、事件を知るきっかけとして、また理不尽なテロ行為の惨たらしさや、平和の裏に潜む突如として訪れる言い知れぬ恐怖との境目を、ズシっと重く心に突き刺してくれる意味のある映画と素直に受け止める事が出来る。



実際にウトヤ島で起きた乱射事件の72分間を、そのままワンカットで若者の役者?を集めて撮影したリアリティ溢れる映像と緊張感には、ただただ感心させられる上、恰も自分もその島で銃声に怯え、訳のわからない状況にパニくってしまう様を体験させられる演出は見事。




ハッキリ言って
主人公の言動やカメラワークに茶々を入れるだけ野暮。

実際に自分がその場にいたらと考えたら、冷静な判断なんて出来るか?と問われたら答えはNOだから。

スマホが繋がれば身内に電話もするだろうし、危険なのか安全なのかもわからぬ方向へ進むかも知れないし、じーっとどこかへ身を潜めるかも知れない。
森林に反響する銃声を、一人の犯行と判断出来る自信もないし、複数と断定する経験値もない。



後付けでこの事件の概要を知る鑑賞側の感情や考察や情報から成る意見なんて、なんの説得力もねぇって事。


そんな気楽にこの作品の良し悪しなんて語れない。



実際のテロ事件を映画化した作品で言うと、【ホテルムンバイ】の緊張感も相当なインパクトと衝撃を喰らったが、没入感を通した衝撃と言う意味では本作が個人的には上回ってしまった。






何がなんだかわからない状態でのパニックと人々の言動に、観る側の各々がどう感じるか、、、問われている気がする。







答えは
実際に同様の事件に巻き込まれてみなければ誰にもわからない。

そして、そんな事件に巻き込まれたいと思う者など一人もいないって事。













⚠️↓ネタバレシーン↓⚠️










偶然の産物
蚊のシーンは生と死の見事なコントラストで、女優さんもカメラマンも天晴れ!!
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