空海花

ブラックバード 家族が家族であるうちにの空海花のレビュー・感想・評価

3.8
現状、今年一、泣いた…

ロジャー・ミッシェル監督作。
ビレ・アウグスト『サイレント・ハート』のリメイク。
オリジナルの脚本家クリスチャン・トープがアメリカでの映画化に向けて脚色。

ALSに侵された母(スーザン・サランドン)は病状が進むなか安楽死の選択をする。
家族たちは最後の時間を過ごすため、
週末、家に集まることに。
安楽死は認められておらず
家族たちはその秘密を共有する。

『やすらぎの森』に続き、奇しくもまた尊厳死がテーマ。
重いのは覚悟したものの
ところどころにユーモアがあり
実際何度か吹き出しちゃったくらい
(近くのおじさんも吹いてた笑)
小さな事件も?ある。

母には2人の娘がいる。
ケイト・ウィンスレットは長女で生真面目タイプ。
次女のミア・ワシコウスカは、不安定な気持ちを抱えており、
姉とは反発しあっている。
演技合戦のような激しさはないが
ファミリーの一員らしい自然な演技。
中心は、母と娘2人ではあるが
孫役のアンソニー・ブーン
次女の同性の恋人ベックス・テイラー=クラウスが、若いながら光り、風を吹かせる。
そして、病を抱えた妻を見守る夫サム・ニールが素敵すぎてうっとり。
長女の夫や母の親友も登場し
それぞれの演技が見どころである。

わだかまりや本心が顕わになる。
流暢で、時に堰き止められ
静粛に流れてはいかない。
特にクライマックスへの流れは急流の中清流に変わる瞬間があり、静かに驚く。
仕草や表情の演出、演技も心地良く。

尊厳死は見送る側の成熟が必要。
それは年齢は関係なくて
来る時、それぞれに答えを見つける。
クライマックスの決着は意見分かれるだろうなと思う。
何かわかっちゃった気がして号泣…

海のほとりの干潟が印象的。

夫がサム・ニールでしかも医師というのが、うらやましいというか。
ごく普通の家族を描いているものの
恵まれていると感じる部分があり
身近なようで遠くなってしまうような
理想が過ぎるかなという感想もある。
しかしながら、役者の演技と演出の妙と、考えさせられる内容の良作。


以下少しネタバレ含む感想⚠️



長女夫婦の着火点
そしてことの後の変化
反発し合う姉妹がいきなり結託
ずっと父の手を振り払っていた孫くんが…

なぜかスーザンがドレス姿で出て来た時に、しゃくり上げるほど泣いてしまう。


2021レビュー#118
2021鑑賞No.227/劇場鑑賞#26

またちょっと入院、手術して退院してきました。
その間フィルマができそうでできなくてすみません。
手術跡はそうでもないですが、関係ないところが痛いです🥲が、まぁまぁ復調しました。
TLゆっくり回りますのでお待ちください🙏
空海花

空海花