modernboy

プロミシング・ヤング・ウーマンのmodernboyのレビュー・感想・評価

4.1
まさに“問題”作な映画。

後半のストーリーで、一気に強烈な印象を観客に残したと思う。
ラストのオチについては、ユーモアを含めてるけども…。
個人的には“救いがない”感じがした。

最近のハリウッド系は男の子の描き方が変わってきてたけど、
今作に登場する男性はみんな謂わゆる陽キャラで、ヒエラルキー高めな人たちだったな。

冒頭から衝撃的な登場。
そこから、キャラクター性が分かる展開があってからの希望と絶望。
いや、まさに絶望な、“裏切られた”とらこっちにも刺さる描写だった。

なんでもかんでも「ガキだった」っていう枕詞は、この映画では幼稚な言い訳にしかなってなかった。
(往年のハリウッド映画だと、渋いお爺さんが過去を回想するときに使うイケてるフレーズだったのに!)

ポップさが皮肉にしか感じない。
男性がわかりやすく幼稚で無責任、
男気を感じるかと思えば逃げ腰、社会的な傷を恐れて手も足も出ない。
まるで被害者面をして、泣き喚く。
なかなか極端な描き方でした。

かくいう女性の描き方もどこか偏りを感じさせていて。

女性の性被害の復讐劇というには、ちょっと特殊な作りになっていた気がする。
あくまで、キャシーという一個人の、鮮烈な幕切れでした。

過去のニーナ周りの描写が一切無いのは、個人的にいい采配な気がした。
顔がわからないニーナ、
語られるのはキャシーの言葉でのみ。
それは誰にでも当てはまることとして、わざと演出してるような。
いろんなニーナがいる…と。

最後に、キャリー・マリガンが強烈な役をやっているのが新鮮だった。
あと、わざとか“おばさん”感を前面に出してたのが、いい味出してた気がする!

けど、自分は“Drive”の時の様な、素朴な少し幸薄めな役をやるキャリー・マリガンが好きです!!
modernboy

modernboy