斬切りバーニー

プロミシング・ヤング・ウーマンの斬切りバーニーのレビュー・感想・評価

4.3
………。
………………。
………………………すごい映画だった(呆然)。



鑑賞してから一週間ほど経つが、どうレビューを書こうか、ずっと悩んでいる。面白い・ヤバイ・カッコ良かったーーー感想を書く上で、様々な表現があるけれど、どれもなんか違う気がして……。そんな私が、なんとか絞り出した言葉が、

すごい!!!!

これに尽きると思う。

いまだに、どうレビューを書くのが適切か分からないけど、突出すべきはやはり脚本なんだろう。さすが米アカデミー賞、脚本賞受賞だけある。

あらすじは簡単に言うと、レイプされ自殺した親友のための復讐劇。しかし、それに留まらない社会への痛烈なメッセージ性が、今作の肝と言える。

泣き寝入り、という言葉が日本にはある通り、世の中には自分の力ではどうすることもできない理不尽なことがたくさん起きている。悪事をすれば、その罪は明るみになり裁かれねばならないし、そうすることで被害者・遺族の心が多少でも救われることもあるはずだ。

しかし、それが叶わない状況の中、消化しきれぬ気持ちのやり場はどこに処理すれば良いか。主人公が悩んで悩んで病んだ末の、ラストである。

百歩譲って、何かが起こってしまうのは仕方ないとして、その罪が隠蔽される世の中では決してあってはならない。主人公が最後に起こした行動によって動いた事態に、脚本の意図が込められているのだと思う。

罪は必ず裁かれる。そんな世の中が当たり前になれば良い。