人は間違いを犯すものだから。
いつも変なことばかりしちゃっても
いつも上手くいってなくたって。
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ドラマ版がたまらなく好きで、思わず鑑賞した。
ドラマ版での特徴である、視聴者にむけてのメタ的な発言はなく、どちらかというと独白を聞いているような感じ。
でもその分状況に頼らないフィービーの演技が冴え渡る。フィービーを通して、登場人物たちは脚色されていく。
生意気で、面白おかしく、絶妙にセクシーに。
その皮肉と下品の間の強烈な批評は
そのまま自分に向けられて、
存在の耐えらない自己批評を纏っていく。
存在を確かめられるものが体しかない。
だから性に奔放になる。
でもそれじゃダメってことも分かってる。
分かってるって。
自分では一生懸命、努めてる。
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親友のブーを(結果的に)死に至らせた理由。
うまく生きられない理由。
周りの大切な何かをまた壊して、周りの大切な何かに壊されて。
ドラマ版みたいに明確な希望を持った終わり方はしない。
批判精神も恥も見栄も捨て去った後だって、
尚も自分に向けられる絶対の優しさを裏切ってしまうこともある。
でも、同じようにしくじりながら努めている人がいて、
一緒にもう一度やり直せるなら、
過ちを認めて、
もう一回初めからやり直せるなら。
それだけで救われる瞬間がある。
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勿論スタッフや演出家共に作り上げているのだろうけど、
それでも舞台で一人でやり切って、
ここまで価値を生まれているのを
目の当たりにする。
フィービーと、文字通り、向き合う80分だった。