ゆう

17歳の瞳に映る世界のゆうのネタバレレビュー・内容・結末

17歳の瞳に映る世界(2020年製作の映画)
4.8

このレビューはネタバレを含みます

淡々と現実的でつらい

予期せぬ妊娠、中絶、どうしたらいいか分からない事を1人悩むオータムを見ていたらなんで女性側ばかり悩み選択し、痛みを感じ、背負っていかないといけないんだろう。同じくらい相手も全て背負ってほしいと強く感じた。ビタミンCを無理矢理沢山摂ったり、お腹を叩いたりする姿に涙が出た。

中絶が許されてないという事は時にとても絶望的で、病院であんなビデオ見せるなんて怖すぎる。もちろん中絶するにしてもお金など現実的な問題や精神的にも肉体的にも負担がたくさんある。

従姉妹のスカイラーとNYに行くけど、泊まる場所もなく朝までいられる場所にいたりするのがリアルで、ずっと不安げな2人が印象的だった。
出てくる男性の不快な感じがリアルで、嫌悪感しか感じなかった。ダウンタウンにずっと誘ってくる青年とかあんな感じの人いる…

手術前のカウンセリングでの質問でオータムの感情が感じ取れて泣いてしまったし、淡々と冷静に、だけどあたたかいカウンセラーの声色もすごくよかった。

1人で決めて誰にも頼らないと決めたような表情をしたオータムにスカイラーがずっと一緒にいて、何も話さなくても荷物を持ったりメイクをしたり寄り添っていられる優しさに胸がいっぱいになった。
帰る前にパンを食べて「どうだった?」とかさりげなく聞くスカイラー、全て話さなくてもそばにいて何気なく笑い合える2人が素敵。
2人がバスに乗って帰る先で、少しでも一緒に幸せを感じてほしいと思わずにいられない。
ゆう

ゆう