ゆう

ザリガニの鳴くところのゆうのネタバレレビュー・内容・結末

ザリガニの鳴くところ(2022年製作の映画)
4.8

このレビューはネタバレを含みます

前半、父のPTSDからの暴力、母や家族がみんな去っていくのがとても辛い。
カイアは一人になってからも逞しく懸命に生きてきて、寂しくもあり、でも美しく自由にも見える。
湿地の風景や生き物たちがきれいで怖くもあり、時に優しさやあたたかさを感じて勇気をもらったり、人間が勝手に感じているだけだとしても、どんな時もそこに在り続けるものは安心するし心強いと感じた。
湿地はカイアにとってかけがえのない場所でカイア自身も湿地の自然そのもののよう。

テイトの、優しさや生きていく方法を教えてくれたり、2人で湿地の自然を大切にする関係は見ていて素敵だったけど、カイアは見捨てられる事が1番傷つくと思うのに手紙も出さなかったテイトはひどいし切ない。
そしてチェイスは初めから父親と同じ雰囲気を感じるし危ない人だと思ったら本当に最悪だった…
カイアが暴力を振るわれてやり返すところは強くてかっこいい

湿地の女としてではなくカイア自身を見て考えてくれる弁護士、雑貨屋の黒人夫婦の温かさに救われた。夫婦の決してお節介ではないさりげない優しさには涙が出た。
留置所の猫もとてもかわいい🥰

人は去るものと受け入れて自分の大切な人や場所で生きるカイアの最期は、静かで美しく羨ましいぐらい。

誰が犯人か、ずっと考えながら見ていたけどラストに明かされる事実に「!」っとなった。

自然に生きる生き物たちに善悪はない、ただ摂理があるだけ、懸命に生きているだけ

寂しくもあり、静かで美しい湿地が忘れられない作品。
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