劇場版ごん GON, THE LITTLE FOXのえいがうるふのネタバレレビュー・内容・結末

素晴らしい造形表現、動きや背景も非常に美しく見応えがある。
表情描写に味のある人形作家の作品だけに当然なのだろうが、作中でごんが擬人化されていたのにはどうしても違和感があった。動物も幼体ならではの愛らしさがあるのに、狐コスプレの幼い少年の姿では表情も所作も当たり前にあどけない子どもとしての可愛さになってしまうし、しかも心情をいちいち口に出してしまうのでかえって味気なく感じてしまった。
そして最後にはこの幼い少年が撃たれて横たわるのかと思うと酷すぎる絵になってしまうのではと勝手にハラハラしたが、そこはやはり本来の狐の姿で描かれていたのはある意味救い。ごんが本来の姿に戻ったそのラストシーンは本当に胸を打たれる光景となっていて、分かっていてもやっぱり涙があふれてしまった。
動物の姿でもこれほど愛らしい造形が可能なのだから、やはり全編をその姿で表現した作品が見たかった。