マルケス

パピチャ 未来へのランウェイのマルケスのレビュー・感想・評価

4.0
女の子たちの青春もの。そんな感覚で鑑賞したら、ずっとずっと重かった。
時代背景はアルジェリア内戦中の90年代。無知だったのでサラッと調べてみたが、“暗黒の10年”と呼ばれテロと虐殺が多発した時代だったと。
30年近く前とは思えないほど既視感とリアリティがあるのは、アフガニスタンを掌握したタリバン政権の記憶が生々しいからだろう。

主人公のネジュマ、友人のワシラ、サミラ、カヒナ。みんな個性も才能も豊かな女の子たち。そんな生命力に溢れた女性を大きな布で隠し、家に閉じ込めてしまうなんて、これはもう犯罪だ。
ネジュマは見抜いている。「無知な人たちが信仰を振りかざして暴走している」結局は男どもが都合のいい理屈を押しつけているだけだ。

政治に関心のない若い世代にこそ観てほしい良作だった。日本は依然として選挙の投票率が低い。自由も民主主義も平和も、当たり前じゃないことを実感して欲しい。

【自分用メモ】パピチャ
アルジェリアのスラング「愉快で魅力的で常識にとらわれない自由な女性」の意味
マルケス

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