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ゾッキの8637のネタバレレビュー・内容・結末

ゾッキ(2021年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

まず「ゾッキ」という全く訳の分からないタイトルから「え、これ、どういう意味なんだ?気になる〜」という感じでそそられる本作。しかしそれが本編で明かされるわけでもなく(※個人調べ)、結局"タイトル詐欺"みたいになって、、、そこが全体的なモヤモヤの正体となったのかも。

タイトルバックまでの展開は完璧だし、確かにクスッと笑える瞬間はあるかもしれない。だが全体通して見た時に良い余韻を感じない。
これいつも思うのだが、オムニバスと伏線回収祭りの中間を貫き通す映画って、何のために存在しているのだろう。少ししか繋がりのない短編集なら快感もないし、いっそオムニバス映画として一作ずつの質を上げて行った方が良かったのでは。
まぁ、今回は原作があったしそれも短編集だった訳だから仕方ないのかもしれない。

その中で、"認められる"っていう言い方はあれだが、そういう点を幾つか挙げるとすると、出番少ない南沙良の存在感、明らかに皮肉られたピエール瀧、あとは劇伴に君島大空が関わっていたという事くらいだろうか。

強いて言えば、齋藤工監督パートは素晴らしかった。昨年は彼の「COMPLY+-ANCE」をベスト10に入れたくらいなので期待していたしその期待はあながち間違いではなかった。
森優作×九条ジョーという凝った主要キャストで、予告では全く読み取れなかった偏愛(=純愛)映画が展開されていて、そこ単体では満足。
なんと言っても森優作が上手い。昨年「佐々木、イン、マイマイン」で知ったのでまだまだ浅いが、これからも追い続けたいと思った。


追記: 「ゾッキ」という言葉に"寄せ集め"という意味があることを知ってから、この映画に対して思うことが変わった。
もともと大橋裕之氏の初期作品集(=連作でも何でもない)から何作か取ったわけで、だったら映画化の時に話と話の繋がりなんか付け足さなくていいし、"寄せ集め"という意味がある以上、予告編で「ゾッキとは?」なんて煽らなくて良かったし、、、何だこの映画。
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