荒野の狼

MINAMATAーミナマターの荒野の狼のレビュー・感想・評価

MINAMATAーミナマター(2020年製作の映画)
5.0
『MINAMATA-ミナマタ-』(原題: Minamata)は、2020年のアメリカの115分の作品。1972年に、写真家のW・ユージン・スミスが、『ライフ』に「入浴する智子と母」などを含む写真を掲載し、水俣病の実態を世界に告発するにいたった経緯を題材に制作された。本作のエンディングでは、水俣病と同様の世界での環境汚染による被害の例が写真で紹介されているが、本作は、水俣病の問題をあらためて広く提起するだけでなく、環境汚染にともなう様々な問題(企業、国、地域住民、マスコミ、医師など)を考えさせる重要な映画。本作は、映画の脚色のため、史実と異なる部分が複数あるが、その中で、もっとも印象的であるいくつかの場面は、史実に基づくべきであった。過去にも巨悪を暴く小説などの細部が、事実誤認であったことが明らかになったために、全体が否定されてしまった残念な例はある。そうしたことを防ぐ意味でも、製作者側は注意を払うべきであったと考える。
荒野の狼

荒野の狼