一夢

パーム・スプリングスの一夢のレビュー・感想・評価

パーム・スプリングス(2020年製作の映画)
4.6
ここ1年ほどに観た映画の中で一番面白かった。本当は『ビバリウム』が目当てで、こっちはオマケのつもりだったのが…こういうことがあるから名画座や2本上映はやめられない。全く予備知識なしで挑んだのが良かったのかもしれない。

ストーリーはいわゆる「タイムループ」もので、軸となるのは、とある結婚式の一日。新婦の姉・サラが泥酔し、参加客のナイルズと関係を持ちそうになると…いきなりストーリーがとんでもない方向に進み出して、驚いてしまった。とにかくテンポの良さと伏線回収の秀逸さ、適度なツッコミどころが素晴らしく、名作の条件がいくつも備わっていたと思う。

同時上映の『ビバリウム』では男性の愚かさが強調されていた気がするけれど、こちらも描き方がお見事。とにかく物語終盤の「現実を見ている女性」と「踏み出しきれず今の環境(状況)をズルズル続けていたい男性」の対比が素晴らしく、この印象が強すぎたせいで、最後のハッピーエンドが、本当にハッピーなのか…?と疑問に感じてしまったほど。

本当に良い映画に出会えた。少しでも気になった人には、ぜひ観てほしい!
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