このレビューはネタバレを含みます
ザ・シネマメンバーズにて鑑賞。
まず若かりし頃のイザベル・ユペールがキュートすぎてビックリした😵しかもそれだけではなく、この当時から憂いも感じさせるし、内面からにじみ出る強さも感じさせるしでやっぱりタダモノじゃない。
あのナタリー・バイも、冒頭から自転車女子として若々しく爽やかな姿を見せてくれます。この作品の大きな特徴であるスローモーションとともに。
ゴダールの作品って、必ず一つや二つ心にグサッと刺さるようなセリフがあるけど、今回はこれ。
「誰もが束縛される タイピストも娼婦も 俗物女も侯爵夫人も召使も チャンピオンも 女子中学生も 農民も 自由なのは銀行だけ 人殺しだから」
しかも売春婦であるイザベルがギャングに拘束されて、首根っこを押さえつけられた状態でこのセリフを暗唱させられるという演出込みで強烈やった。
最後はポールが事故死、それでも妻と娘のセシルは背を向けて去っていくという悲痛なラスト。突然登場する管弦楽団の演奏と共に、2人の後ろ姿が小さくなっていくまで捉え続けられます。
ポールは、仕事面では一応成功しているものの、女性に対してのリスペクトが足りないというか、自分の思い通りにならないとすぐ怒り出したりするから、奥さんとも離婚され、恋人のドゥニーズにも別れを切り出されるのも当然という感じ。
ラストの悲痛な結末も、そういう意味では自業自得かもな~。何ともビターな味わいの1本。