勝手に逃げろ/人生の作品情報・感想・評価

「勝手に逃げろ/人生」に投稿された感想・評価

ゴダールが商業映画に復帰してからの一作目
遊び心満載 ストップモーション多用しすぎで、最初おれんちのデッキバグったのかと思った
ブルーレイ買って鑑賞したが、おっさんのちんこ無修正でした
娼婦映画探訪 47本目
2020/10/26 DVDにて鑑賞
Jimmy09

Jimmy09の感想・評価

3.5
この映画の特徴としては、コマ送り映像・スローモーション映像・音の断絶などが随所で観られること。それが何の意味を持つのかは「勝手に考えろ的」であり、平凡な風景でもそれらが使われる。
ゴダール監督が本作製作当時は12年ぶりの商業映画だったらしく、ナタリー・バイ、ジャック・デュトロン、イザベル・ユペールなどが出演している。

ユペールがインタビューで述べた通り、「脚本はなく、コラージュのような作り方」というのが、本作にはピッタリの表現である。

基本的には、ナタリー・バイ演じるドゥニーズという女性とジャック・デュトロン演じるゴダールという男をメインに、娼婦役のイザベル・ユペールなどが絡む風景。

スイスでロケされたようで自然の風景も綺麗。街の風景も描かれており、都会と自然の風景の混在が素敵。
映画館で上映されている映画は『街の灯』なのはチョット意外…(笑)

映像・音楽・言葉などがモザイクのように形作られた作品であった。

なお、購入DVDなので、男も女も下半身は無修正。…これはどうでもよい補足情報。
nicoden

nicodenの感想・評価

3.9
はじめディスクの調子が悪いのかなと思ってしまうほどのストップモーションと音楽の断続。
男の強烈な性癖から女が車を運転する一連のシークエンスは比喩にとんでいて印象的。
ANAMI

ANAMIの感想・評価

3.7
薄情なもんだ…と言える映画がまさにこれだと思った。
所々にスローモーションになったりするが、これは決定的な瞬間だったり、微妙に違う男女感や社会との比較とかを表してるんだろうか。
ぶつ切りに切れる音楽に、ザワザワさせる見せ方とかゴダールの遊び心がたまんない。
ラストの路上でオーケストラなんて、最高に白状だなぁ(笑)ってかんじ。
久々に見たゴダール映画
ところどころに入るスローモーションの映像演出は、この作品を決定づける物を描き出している。
ある種、人間の本質というべきか、男女間、社会と向き合いの中でネカティブな描写ではなく(意外と笑えるところも結構ある)、ゴダール特有のリズム感でさらりと表現されてる。
少数スタッフで撮影したにも関わらず、美しい映像と音楽、出てくる人々に美意識を感じずに入れなかった。
ゴダール映画で素直に面白いと思ったのはこの作品が初めてだったかも

ひさびさの商業映画への本格的な復帰という本作。

なんとなく核となるムッシュー・ゴダールとその家族のものがたりをはじめとして、そこにえがかれるのはつながりを欠いた断片にすぎない。
映像や音楽の突然の静止、コマ送りやスローモーション、そして引用という、おなじみの手法がそれらの断片をつなぐ。
視覚的/聴覚的にうかびあがる虚構された世界は、理由のない欲望の連鎖と、ひとか他者とかろうじて繋がりながら生きている、このわたしたちの世界そのものだ。
倒錯的な製の戯れが、リンチ的なイメージではなく観念的なメッセージをまとうのがゴダールらしい。
Panierz

Panierzの感想・評価

5.0
ベンヤミン的にカメラによって視覚の無意識を暴こうとするゴダールの視座に惚れた。スローモーションにより運動の要素を明らかにし、既知のうちにある全く未知のものを発見する。暴力と愛に潜む根本的なもの、主観でも客観でもない二人称におけるすれ違いと不安。記憶と記録の差異を明確化し、その間にある不気味なものを捉える。そんな割り切れなさを無理矢理にも接続したり切断したりして、中心=支配から逃れていく。元ネタが分からなくなるまでカットアップしトラックを作るように。
商業映画から撤退していたゴダールが、12年ぶりに復帰した第一弾。ゴダール映画史の新たな幕開けとなる作品。

実験的な映画に専念していたゴダールは政治映画時代を終え、スイスを舞台に男女3人の出会いと別れを4章の構成で綴る。

導入部「-1章 勝手に逃げろ」から始まる。美しいレマン湖のほとりを自転車で駆け抜ける女性に魅了された。ストップモーションとスローモーションを駆使した映像は躍動感が溢れ、「風」を感じさせる。

その斬新な映像はドゥニーズが語る「人生」と繋がる。不意に速まる動作、動作の中断など、機械とは違う不規則性が全編に渡り効果的に描かれていた。

テレビ局のディレクターであるポールに別れ話を切り出す恋人ドゥニーズ。娼婦のイザベルをポールが買い、イザベルはドゥニーズが空けた部屋に引っ越す。

そうして繋がった3人の男女を美しい自然の中で描き、政治色を排除した世界は解りやすく、見やすい。

都会を出て田舎暮らしを始めるドゥニーズと、田舎から都会へ出てきたイザベル。生活を変える女2人と、生活を変えられない男。

ポールは大音量のオペラを聞き、ドゥニーズは聞こえない曲を聴く。突然ぬるっと現れる音楽とブツ切りの音楽。そして最後は路上演奏の前を通り過ぎる。それがゴダール交響曲。

会話を捉えたカメラが音声だけを残したまま通行人を追いかけたり、街の雑踏に切り替わる周縁の描写が印象的。

田舎と都会、労働と性、権力と隷属、そして男と女。都会から逃げるドゥニーズ。事故から逃げる車。ポールから逃げる妻と娘…。

遠ざかる背中が悲し過ぎる。まったく薄情なもんだ。結局そんなもんだ。勝手に逃げろ…。
「殴ることでしか触れ合えない」

娘の会話してる父親が撫で回したりしたいと思ったことは、とか話してんの普通にダメだろう。

ナタリーバイって全く気づかなかった…

マルグリッド・デュラス