Dumbo

モロッコ、彼女たちの朝のDumboのレビュー・感想・評価

モロッコ、彼女たちの朝(2019年製作の映画)
5.0
美しい“光”で描かれた
女性による女性のための映画。


イスラム教では未婚で子どもを産むことはタブー。
誰からも白い目で見られ、
その子は生まれた時から差別を受ける。

妊娠させたのは男なのに、
なぜ女だけが理不尽な一生を引き受けなければならないのか…


シングルマザーの未亡人も
男社会で生きていく辛さを知っている。


二人とも女性であるがゆえの
理不尽な人生と孤独を抱えて生きている


だから放っておけない…
何度も切り捨てようとしても、
それは
自分自身を見捨てるような気がして。


生まれてきた我が子に、
母乳を飲ませたら、
名前を付けてしまったら…
母性が目覚めてしまうから。

頑なに母乳も飲ませない、
抱かない、
名前も付けないと決めていたのに…

自分で産んだけど、
自分の子どもではない子どもだから。


守られるべき存在だからとはいえ、
どうして赤ん坊はこんなにも、
尊い存在なのか…
こんなに小さい命なのに、
どうしてこんなにも大きい存在なのか…
無条件に愛おしいのか…


この小さな命とともに、
光の中へ旅立った先には
いったいどんな未来が待っているのだろう。



モロッコ出身の若い女性監督の
思いがこもった
女性による女性のための映画。


(こんな素敵な原題なのに、
なぜ邦題はこれなの…?)





Adam
Dumbo

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