重度の自閉症である作家・東田直樹氏が13歳のときに綴ったエッセイを、自らの息子もまた自閉症であったデヴィッド・ミッチェルが翻訳、いまや世界20か国以上で翻訳されている(村上春樹の次に多い)。
そのエッセイに救われた家族の姿を追いながら、自閉症者の脳内で起こっているイメージを旅するドキュメンタリー。
彼らが見ている世界はとても美しかった。
そして彼らは常に恐れている。
次々と消えていく言葉、コントロールの効かない体と感情に。
家族が自分のために思い悩むことに。
これは皆に観てほしいし、東田氏のエッセイも読んでほしい。
2014年にNHKで放送された「君が僕の息子について教えてくれたこと」というドキュメンタリーも素晴らしかった(NHKオンデマンドで視聴可能)のでぜひ。
「自閉」という言葉がもたらすイメージが、彼らを理解することから遠ざけている一因になっていると思う。
この言葉に変わる、何かいい言い方はないものだろうか。