竜平

マーベルズの竜平のレビュー・感想・評価

マーベルズ(2023年製作の映画)
4.2
「マーベル・シネマティック・ユニバース」33作目。ひょんなことから3人の女性ヒーローそれぞれのパワーが共鳴、やがて巻き起こるトンデモ騒動に力を合わせて立ち向かうぜ、という話。トンデモSFアクション映画。

映画『キャプテン・マーベル』よりご存知最強ヒーロー「キャロル・ダンヴァース」、『キャプテン〜』ではまだ少女でドラマ第1弾『ワンダヴィジョン』にて大人となって再登場しそこで能力をも取得した「モニカ・ランボー」、そしてドラマ第6弾『ミズ・マーベル』より不思議なバングルによって力を得た女子高生「カマラ・カーン」、とそれぞれ知り合いだけど長年会ってなかったり一方的な憧れの存在だったりでちゃんと顔を合わせたことのなかった3人が初めて集結、という内容。Disney+限定配信のドラマシリーズがここまでがっつり映画に関わってくるのは初めてなんじゃないかな。『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』の時もそれはあったけど、そっちよりも予習しとくべき作品が多い気がする。てことでドラマを追ってない人からしたらキャプテン・マーベル以外「あんた誰」状態だろうし、それ故にそもそも興味が湧かないってのもあるかもだけど、いやしかし全部追ってる身からしたら本当にワクワク、興奮必至の今作。それぞれの想いや関係性を知ってるからこその序盤からくるドタバタ感に、要所要所での答え合わせ的なやり取り、とくにキャロルとモニカのわだかまりの部分やら、じつは一匹狼的なキャロルの内面にも触れる場面やら、その人間模様にグッときてしまうはず。ブリー・ラーソンの好演よ、そして相変わらずお美しい。更にそこにティーンであるカマラによる愛嬌、微笑ましいシーンが入ってくるのも良き。でカマラに関しても、初めてヒーローとしてキツい現実を見ることになる場面だったり、改めてヒーローとして開花していく様だったりが印象的。3人それぞれに見せ場があって、またそれぞれに行き着く先がある、そんなストーリーは完全に見もの。

加えて今作はアクションがめちゃくちゃかっこいい、これはマジで素晴らしい化学反応が起きてるなと。今回の設定だからこそ実現する入れ替え戦法(と勝手に名付けとく)、初めのドタバタ的な楽しさと使いこなしてからのバツグンの躍動感というのが楽しい。このアクションだけでも見る価値ありありだと思う。また今回はMCUとしての繋がりを描く場面も多くて、カマラのバングルの謎や、これまで度々出てきてたけどそういえばとくになんも考えず見てた宇宙での「ジャンプポイント」の存在、とそこにやっぱりちょっぴり関わってくる異空間や異次元への扉、つまりは「マルチバース」関連の話というのも見逃せないところ。所謂ファンサービス的なサプライズだったり、思わずニヤリとしてしまう今後への布石というのもしばしば。あと、今作のとあるミュージカル要素、MCUのこーゆー上手い入れ方には思わず笑ってしまう、遊び心に拍手。いやはやフェーズ5、個人的には非常に良き流れになってるなーなんて。マルチバースサーガもどんどん加速してる印象、いいぞいいぞもっとやれ状態。ここまで書いてニック・フューリーも今作にがっつり出てたことを忘れてたけど、こないだのドラマ『シークレット・インベージョン』然り、最近の彼の添え物感というか、あとじつは全然大した人物じゃなくね?感がね、笑いどころでもあり切ないところでもあったり。もっと知略を巡らすその実力やら統率力やら、あるならば発揮してほしいよねっと。

さて次回作は今のところ、なんやかんやありつつ我らが“俺ちゃん”がついにMCUに参戦する『デッドプール3(仮題)』となる模様。で2024年のMCU劇場公開作品はこれ一本のみらしい。ストライキ等でいろいろ大変だったとは知りつつも、うーんやっぱり一本しかないのは寂しいですねっと。おしまい。
竜平

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