松原慶太

キネマの神様の松原慶太のレビュー・感想・評価

キネマの神様(2021年製作の映画)
2.8
さすが山田洋次、手堅く作っている。映画愛みたいなものも感じる。山田監督の見聞きしてきた邦画界のさまざまな記憶がコラージュのように埋め込まれているようでもある。

ただ、それが一本の映画として昇華されているかといえば、そこまでの密度はなかった。

志村けんの代役に立った沢田研二は「志村けんならばこう演じただろう」という演技をする。これが演出だったら、さすがに沢田に気の毒ではないか。だってさいごに「東村山音頭」唄わせちゃうんだよ?

菅田将暉も、永野芽郁も、北川景子もいい。山田監督は永野芽郁に「馬鹿ぁ。鈍感」と言わせたかったんだろうな。

前田くんもいい味出していた。

ゴウちゃんのシナリオのアイデアは、ウディ・アレン「カイロの紫のバラ」、およびその元ネタであるバスター・キートン「キートンの探偵学入門」からの引用。
松原慶太

松原慶太