磨

ライド・ライク・ア・ガールの磨のレビュー・感想・評価

3.9
豪州競馬の最高の栄誉メルボルンカップで女性騎手として始めて勝利したミシェル・ペインのドラマチックな半生を映画化。

いち競馬ファンとしてどうしても無視できない作品なので今週最初の鑑賞。そしてちょうど800レビュー‼︎
スポーツもの、史実もの、カッコいい女性の映画、女性が男性社会の中で逆風の中活躍する映画、そして家族の絆を感じる映画などが好きな方にはオススメ。
クライマックスのメルボルンカップのシーンは素直に感動。オーストラリアにおける競馬というスポーツの重要度。そしてホースレースの醍醐味が詰まっていました。
激動の半生がダイジェストのように流れていくので、妙に淡々と映ってしまうものの、反面テンポが良いとも言えるのでそこまで気にならなかった。それよりもミシェル・ペイン役のテリーサ・パーマーのジョッキーにしては背が高くてスタイルが良すぎるところが気になりますが‥(笑)



さて、本作はパンフも無いみたいなので、僕の知る限りメルボルンカップのおはなしをさせてください。興味ない人は無視してくださいませ(笑)

160年近いの歴史を持つこのレースは単なる競馬に留まらず、"国の動きを止めるレース"(the race that stops a nation)とも呼ばれ、毎年11月第一火曜日の午後3時(オーストラリア東部時間)には、国中がこのレースを見守ります。レースが行われるビクトリア州はこの日は祝日になり、レース前後 1週間はメルボルンカップ・カーニバルを開催。本イベントはオーストラリア最大のフェスティバルの一つで、豪華で洗練された、歴史あるこのイベントは1861年の開始から現在に至るまで、オーストラリアの風物詩として社会的、文化的伝統を築いています。

日本の競馬ファンの記憶に残るメルボルンカップと言えば2006年の第146回メルボルンカップ。なんと日本馬デルタブルースとポップロックが抜け出して壮絶な叩き合いの1.2フィニッシュ。個人的な話、競馬を見始めて25年経つけど1番興奮したのは間違いなくこのレース。「先頭はデルタブルース‼︎外からオリヴァー(←騎手)ポップロック追い込んでくる‼︎(中略)さぁ日本馬がワンツー目前‼︎、デルタブルースかポップロックか‼︎」あの実況は絶対に忘れないと思う。
本作の物語である第155回メルボルンカップは日本からもフェイムゲームとポッコーブレーヴの2頭が参戦。作中でも何度か登場の1番人気フェイムゲームは13着、ホッコーブレーヴは17着に大敗しています。(昨年のメールドグラースも1番人気だったけど6着…残念)

まぁこの辺りは調べりゃすぐ出てくるので、最後にもう2、3個ほど‥
本作中でメルボルンカップを制覇したプリンスオブペンザンスのお母さんロイヤルサクセサーは日本の馬、1戦だけして引退しています。お父さんのペンタイアはイギリスの馬だけど、引退後日本で種牡馬をやってました。どちらもその後オセアニアに渡り、そこで産まれた仔が大波乱のメルボルンカップの主役になるのです。
作中ではなかなかナイスなミドルだった調教師のダレン・ウィアー、残念ながら現在はある不正行為をして資格停止処分中で、4年間競馬への関与を完全に禁止されています。
…これは知らなきゃよかった?(笑)
磨