A8

アシスタントのA8のレビュー・感想・評価

アシスタント(2019年製作の映画)
3.5
映画プロデューサーの夢を追いかけ、倍率の高い映画業界に入った主人公。彼女は映画会社のアシスタントとして、忙しい業務に追われていた。しかし、その業界の“悪”の部分を容赦なく突きつけられることに、、。果たして彼女はどうするのか。

まだ夜が明けない時間から会社に到着、雑務から何までこなし、誰よりも遅い時間に退社する。そして、頼りにならない同僚、押し付けてくる上司、SOSを出しても簡単に無視する会社、、。きついな、、大変だろうな、、、と見ただけで嫌なほど伝わるそういうリアルさが滲み出ていた。

映画業界だけではないかもしれないが実際に蔓延る“性”の問題、“パワハラ”の問題を目の前にするのである。頭ではいけないこと、実際主人公も声を上げようとしたのだが、権力という壁が容赦なくこの小さな声をかき消してくるのである。その陰湿さやまるでしょうがない、、当たり前となってしまっている悲惨さをかなり感じることができた。

彼女の葛藤や悲しみ、悔しさ、そして自分の夢のこと、、。淡々と進んでいくストーリーはリアルを表し、説明がいらないほど見事に心情が伝わるのである。

声をあげた人間、この世界を変えようとした人たちの偉大さを感じる作品であった。
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