TERUTERU

ビバリウムのTERUTERUのレビュー・感想・評価

ビバリウム(2019年製作の映画)
3.7


[ VIVARIUM / ビバリウム ]


“Your home. Forever.” / あなたの家。永遠に。

なにも知らなければ素敵な言葉なのかもしれないが、この映画を観たならばさぞ違う言葉に聞こえてくるのだろう。その違いは万死に値する。


 やっと近くの劇場にて公開!『VIVARIUM』ここ最近でこれだけは劇場にて見逃せない映画、観れてよかった、有り難うございます。毎度遅れた時期に書くレビューでございます。。。📝

 なんだこれは、狂ってやがる…💧
ホラーの様だけれどもどことなく人間が不足の事態にどう動くかを私たちが観察しているような映画だ。それもそのはず「ビバリウム」この意味はviva(生命)+arium(~関する空間)。要は生き物を育てるための環境全体を指す言葉かな。普段は両生類や爬虫類を飼育するのに扱うが、今回は人間が住みやすい空間。その作りは愛なんか込もってない、ただ生かされている環境。その目的はあまりにも夢のマイホームには程遠すぎる。

 出口なき郊外、9番とナンバリングされた家、犬並みに成長する子ども、不思議な模様を映し出すテレビ。謎に包まれる生活の中で2人のカップルは徐々に精神をエグられる。とてつもない早さで子育てから生じる厳しい現実、そして巣立ちから人生の最後を迎えるまでのリアルをこの映画は映し出している。
 見えない侵略者の恐ろしい存在よりも、私たちがいずれ経験する家族と夢のマイホームを持つことは実は恐ろしいものではないかと錯覚してしまう。いや、それ同等な物なのかもしれないのだろうか。見えないから希望をもって立ち向かうのも、経験しないとわからない生活もその真相は誰もわからない。
 そんなことを考えていると味がしない苺の様に期待して手に入れた物はカラッポであり、望むことに意味を問いかける。「人生とは?」
ラビリンススリラーはまるで人生の迷宮を問いかける。

 独創的世界観、美しく映し出されるユーモア溢れた色に演出には精神が崩壊されるレベル。じわじわ来る恐ろしさは『ミッドサマー』同様なのではないだろうか。
 ちなみにこの映画にも隠されたキーワードを公式サイトが解説している。ネタバレになるのでくれぐれも鑑賞後に閲覧する事をおススメする。貼っとくね✨

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https://vivarium.jp/viva.html
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 こんな世界があると思うとゾッとしてしまう…💧もしかするとその世界は意外と近くにいるのかもしれない。なんせ「Yonder/ヨンダー」とは「あそこの、向こうの」って意味らしい。近くにはないが遠くにもないという意味だからひょっとすると…不動産には気をつけてね👋
エンディング曲まで頭おかしくなるぐらいのを選曲してきたw😇
Complicated Game/XTC


2021/№025
TERUTERU

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