ホンのシネマ

宇宙でいちばんあかるい屋根のホンのシネマのネタバレレビュー・内容・結末

3.8

このレビューはネタバレを含みます

ただの青春ファンタジー映画かと思って油断していたら、思わずホロリとさせられた作品。
14歳の主人公つばめを演じるのは、18歳の清原果耶ちゃん。
すごく透明感のある瑞々しい女子中学生を演じていました。
大人っぽすぎず、でも中学生の中ではちょっと浮くぐらいのキレイな子。
クラスにいたら、すごく仲良くなりたいけど、遠くから憧れの視線を送ってしまうかも。
いや、書道教室クラスメイトになりたい。
こんな可愛い子がいたら、めちゃくちゃ可愛がってしまう……。

さて、物語は、ちょっと不思議でそれでいて家族の問題だったり、思春期の悩みだったり、結構盛り沢山なんだけど、それをうまくまとめています。
やはり一番年齢が近い坂井真紀演じる継母視点で観てしまって、母のような目線で、つばめちゃんを見守っていました。
色々会った後にお父さんがつばめに言う「実はお母さんは結婚するときにつばめに一目惚れだったんだ。夫と可愛い娘が同時に手に入るなんて、本当にラッキーだって」という言葉は、すごく彼女を表しているし、私もそういう人でありたいと思った。

桃井かおり演じる星ばあは、もう桃井さんじゃないと演じられないんじゃないかっていうくらいはまり役。
年代を超えて友達になれるのはとても素敵なこと。
星ばあがつばめを子供扱いしていないのが、友情を育てる(?)秘訣のようで、二人の関係性は見ていてとても良いものだった。

あんまり関係ないけど、つばめの憧れの人・享がバンドでやっているのがギターではなくバンジョー、水野美紀がやっているのが水墨画というのが、なんとも好ましいと思った。完全に好みです。笑
それにしても、あんなに下手くそだったつばめが、16年後に個展を開くほど上手くなっているのをみて、続ける事は素晴らしいことと改めて実感。
つばめの描く水墨画は、イメージとは違いすごく今っぽい。
もっと水墨画の作品を見てみたいとも思いました。
いつも映画でいろいろなことを知ることができて嬉しいです。
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