さろ

MISS ミス・フランスになりたい!のさろのレビュー・感想・評価

3.3
オンライン試写にて鑑賞。

かつてミス・フランスを夢見ていた青年が、プロボクサーの夢を叶えた友人との再会をきっかけに、諦めかけていた夢を追ってミス・フランスを目指す物語。

周りの人たちのあたたかい協力を得ながら、肉体的な性別を隠し、様々なピンチを乗り越えてミス・フランスの選考をクリアしていく様子は、どこか少年少女向けの漫画の主人公のよう。見た目は美しいけれど、特別高尚な目的があるわけでもなく、選考が進むと保身的な振る舞いで周囲の人を傷つけもする。そんな等身大の青年が主人公なので、世代や性別などの属性が違っても自分を重ね合わせやすく、主人公の頑張りに触発されて前向きな気持ちにさせてもらえる作品になっていると感じた。

ミスコン自体の是非やジェンダーギャップの問題についても、登場人物たちの会話の中で考えさせられるやりとりがある。でもこの点についてはもう少し深掘りがあってもよかったかな。ミスコンの描き方に関しては、他の候補者がかなりステレオタイプな描き方になっているように感じたのがとても残念だった。
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