小さな劇場で公開されたフランス映画。私らしくないチョイスは家人がポイント使用で購入したから。ケチな私は観なきゃ損だわさ、と。最近ヨーロッパ映画が気に入ってるし、たまにはこんな何気ない日常の家族物も良いかなと観たけど、さすがフランス、なかなかにシビアで、老いを感じて来た私の世代には身につまされる内容だった。
舞台はマルセイユ。この監督ゲディギャンさんはマルセイユ出身で何と映画は全部こちらが舞台という、故郷ラブな方。しかもスタッフも同郷とかのいつもの仲間たち。主演は私生活の妻マリアンヌ・アスカリッド。他のメンバーも常連で、まるで、ゲディギャン組とも言えるような、公私ともに一緒なのだ。それって冒険心がないのか、あまりに居心地が良いのか仲良しなのか?羨ましくもあるなあ。マルセイユ親善大使御一行様だね!
マルセイユは港町。寂れてて昔の活気はない。そこに集まった3人の兄妹。彼らの父が倒れ今後の事を話し合うために、父と長男が営むレストランに20年振りに集まったのだ。3人共どこかで見たような見ないような顔。日本では見ないが、本国ではかなり有名な俳優のようだ。長男はデブでデカイ。次男はハゲでヒゲ。長女は獅子舞みたい。あ、悪口でないっす。個性的と褒めてまっす。そして演技はみな上手い。脇役陣も上手く、観てるうちにすっかりこの街の一員に自分もなったかのような気持ちに。この3人が実年齢もそれぞれ1歳ずつ違う年子ブラザーズ。まあ似てないから兄妹には見えないが。近隣の住民や婚約者が登場し、過去の辛い思い出などを織り交ぜていく。
舞台は変わらないし、流れはやや単調だ。このまま終わるのかと思いきや、驚く展開が後半に待っている。そういう展開もあるんだなあと、ちょっとびっくり。ネタバレになるかと思ったが、紹介に書いてあったわ。
老いた親の事で話し合う年頃には、自分たちも老いの入り口に入っている。それが長寿になった家族の形で、老々介護という言葉もあるが、実に難しい。親が80歳を超えていたら子供たちも年で体力も気力もないのだから。私も母と義母がまだ健在で実母は病気もあるが頭がはっきりしてる!100歳まで生きると宣言してるし笑。恐ろしい!
女優として成功した長女も私生活は必ずしも幸せではなく、次男も仕事が上手く行かない。それぞれの想いと、未来を見据える目。希望に繋がるきっかけは全く予想外の小さな子供たちだった。
老いを意識し始めた(遅くない?)私には共感できた部分も多かったかな。良作でした!
※おやつはシュークリーム。注文してからクリームを入れてくれるケーキ屋さんで。カスタードがとろりん、美味しい!ホットミルクほうじ茶と。
※夕飯は麻婆豆腐。豆腐の代わりに厚揚げで。ブロッコリーと小エビとゆで卵のサラダ、うなきゅう。