Benito

二重のまち/交代地のうたを編むのBenitoのレビュー・感想・評価

3.5
【 小森はるかと瀬尾夏美による作品 】

1989年静岡県生まれの映像作家、小森はるか監督作品。そして1988年東京都生まれのアーティスト、瀬尾夏美の短編が作品内で詠まれる。岩手に移り住んだふたりのコラボともいおうか。

岩手・陸前高田市。
震災後、大規模かさ上げ工事で10mの高さの新しい地盤が築かれて、これにヒントを得て瀬尾夏美によって編まれたのが短編「二重のまち」。その内容は工事後に造られた新しい町を行き来しながら暮らす2031年の人々を描いた(空想した)民話的なもの。これを小森はるかが作品に組み込んだのが本作。

映画は2018年9月に陸前高田に集った他の都市から来た4人の若者たちが、陸前高田の人々に震災についての話を聞いて、自らの言葉で物語を語り直し、加えて瀬尾の創作した2031年の民話を詠む、そんな新しい試みを持った作品。

なんだか、淡々としているのだけど、澄んだ映像とダイアローグが印象的。
Benito

Benito