Benito

DoodlebugのBenitoのレビュー・感想・評価

Doodlebug(1997年製作の映画)
3.5
【 ノーランによる3分間の心理スリラー映画 】

クリストファー・ノーラン、当時27歳。
脚本、監督、撮影、編集を担当。
16mmフィルムで撮影された白黒映画。 

これが後に製作されるノーラン長編映画デビュー作「フォロイング」に繋がり、主演もジェレミー・セオボルドが担っている。劇伴も共通でDavid Julyanが担当。ノーランの好むダークなサウンドが既にある。

作品はカフカの「変身」のような、そしてM.C.フィッシャーのような騙し絵的な構図の世界観。主人公が床を走り回っている小さな虫(bug)をゴキブリを退治するような様子で追いかけているのだけど、実は…という話。

若きノーランのセンスがこの3分に詰まっている。彼の好む時計のチクタク音や風変わりな小道具(今回は電話)などもあるし、全編に漂う心理的不安を台詞なしで映像化しているのはさすが。

*因みにデビュー短編「Tarantella」は本当に見つかりにくいけど、本作はyoutubeやfacebook上で発見できる(2024.03時点)
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