たく

ザ・コールのたくのレビュー・感想・評価

ザ・コール(2020年製作の映画)
3.8
会社のシネマ部員のおススメで鑑賞。現在と過去が影響し合う「オーロラの彼方に」みたいな話のホラーサスペンス版とも言える感じで、めちゃくちゃ怖かった。

序盤でソヨンが無人の実家を訪れて、古いコードレス電話で過去に同室に住んでたヨンスクとつながるところでいきなり引き込まれる。ここから怪しげな地下室を見つけたソヨンとヨンスクの連携プレイである悲劇を回避してからのラブラブ展開が微笑ましいんだけど、これが最初の30分くらいでまさかこれで終わらないよね?ってなる。ソヨンがカセットテープを知らないのが世代間ギャップの象徴で、ヴィヴァルディの四季の録音を上書きするのが印象的。

現在と過去が繋がる世界線を悪用したら圧倒的に過去が有利というおぞましい恐怖が肌に迫って、最後までどうなるかハラハラさせられた。この二人がいつか現在で会うんだろなと思ってたら、ラストはちょっと過剰かなという演出だった。

ソヨンとヨンスクは二人とも母親との関係が拗れてて、ひたすら虐待されてるヨンスクがどう救われるのかを見たかったんだけど、結局モンスターになちゃったね。この母の行動はある意味正しかったのかも?一方でソヨンがすでに亡くなってる母親との関係を過去の記憶の中で見つめ直すのは「花椒の味」を思わせてジーンと来た。主演のパク・シネは「7番房の奇跡」で毅然とした役があまりピンと来なかったんだけど、本作の恐怖に怯える姿は良かったね。
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