てづか

粛清裁判のてづかのレビュー・感想・評価

粛清裁判(2018年製作の映画)
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面白かったと言ってしまうと語弊があるかもしれないけど、これは見応えがあった。

ありもしない罪を捏造された人たちの最終陳述、その胸中を思うと怒りが込み上げてきた。
思ってもない謝罪を口にして途中で言葉が詰まったり、何度も何度も水を飲んで、ほぼほぼ奪われるとわかっている未来への希望を口にする姿に泣きそうになった。死の際にあっても本当の思いを口に出せないなんて、辛すぎる。
この人たちは、踏み絵をしたのに殺されたんだ。

銃殺刑を言い渡した瞬間に沸く群衆。お前ら、なんで拍手なんかしてんだ?と本当に拒否反応が出た。
反革命者を殺せと訴えるデモ隊など、群衆の罪がこれでもかと映し出される。

スターリンの死で泣いてた奴らはこういう奴らなのか。

でもああやって扇動されていいようにコントロールされちゃうのが群衆なんだ。
私もあの状況下にあったらどうなってしまうのか分からない。ああやって人を殺して喜んじゃうのかもしれない。それがなにより怖い。
何が大事なのか、本当に見失いたくない。
自分を含め、人間が本当に恐ろしい。
てづか

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