さうすぽー

大怪獣のあとしまつのさうすぽーのレビュー・感想・評価

大怪獣のあとしまつ(2022年製作の映画)
1.2
自己満足点 20点

まぁ、わかってましたよ。良い映画ではないことくらい。
世間から酷評されてるのも聞いてました。
確かに「令和版デビルマン」は言い過ぎだと思います。
ただそれを踏まえても、あまりにもつまらない!

時効警察の三木聡監督によるオリジナル特撮映画。
自分は時効警察を観ていないので彼の作風は知らない状態で観ました。


ですが、酷評する前に好きだった点から。

俳優陣の演技は何人か良かったです。
特に、主人公を演じた山田涼介は台詞回しや敬礼のポージング等でしっかりとした自衛隊員を見事に演じていました。
彼はジャニーズというのを抜きに、演技で頑張れる方だなと改めて感じました。
オダギリジョーに関しても、風変わりなキャラクターが似合っていました。

あと良かったのは土屋太鳳が可愛かったのと、怪獣の臭い問題についての焦点が当てられたのが興味深かった事くらいです。


...あとはゴミでした。

この映画、やりたい事は解ります。
ゴジラ並みの怪獣が死んで動かなくなった後、どう処理すればいいのかというのは個人的に興味深いですし、その処理に関する自衛隊や政治家らのてんやわんやをバカバカしくコメディ調で描きたかったのだと思います。

ただ、あまりにも酷い要素が多いです。
シン・ゴジラのオマージュのように描きたいのなら政治家や自衛隊の描写はしっかりやれよ!


怪獣等のCGが酷いのはまだ理解出来ます。
日本なので圧倒的に少ない予算の中で怪獣の出来を良くするのは至難の業です。
なので、そこはある程度目を瞑りました。

ただ今作、脚本構成もダメダメです。
主人公が3年前に行方不明になって突然戻ってきたという特殊な経緯は全く目立たずに描いてしまってるし、登場人物達の群像劇としてもわかりにくいです。

撮影もゴミです。
手持ちカメラが多い割には背景配置が全然上手くない上にカメラワークがブレブレです。
てか、途中なんてブレすぎて観にくいわ!

何よりも致命的なのが、怪獣パニックものとしての緊迫感が圧倒的に足りない!
一応、怪獣の死体が爆発してしまうということで甚大な被害に合ってしまうということでハラハラ出来る要素があります。
なのに、肝心な怪獣はあまり映らないし下らない人間のストーリーがメインになってしまうので緊迫感よりも徒労感が起きてしまいます。

そして、今作で一番酷評されてるポイント。ギャグシーンです。
もうこれは前時代的だとかセクハラだと批判されても仕方ないですね。
今どき、下ネタだけで笑わせられると思っていたら筋違いも良いとこです!
蓮舫と小池百合子を彷彿とさせる女性政治家が怪獣の上に乗って傷口の所に落ちてスカートが捲れる場面は怒りを通り越して呆れました。
てか、政治家達のてんやわんやを下ネタで絡めたり小学生レベルなギャグシーンで笑わせようとすんなよ!
挙げ句に韓国をバカにしたような描写もあったりと、あらゆる部分で舐めた描き方をしてました。

そして、クライマックスの部分。
ネタバレになるので言いませんが、ここ最近観た新作映画で一番バカげてました(笑)
いやいや、お仕事ものでずっとやってたのにあの超展開で全てが台無しだし、何であの展開でいこうとしたんですかね?
ウルトラマンやりたいなら、最初からその作風でやるなよ!


総じてまとめると、
B級映画的な感じで観ようとしてもギャグシーンが寒いし、真面目な感じで観たらバカバカしいし、誰に勧めたらいいかも全然わからない駄作でした。

とりあえず監督とプロデューサーに言いたいです。
特撮と観客舐めんなよ!!