完全に宣伝戦略の勝利というか、敗北というか、いずれにしても観る前に想像していたものとはまるで違う映画だった。
少女の繊細な心の揺らぎを、静かに捉えた映画だった。母親との関係性、友人たちからの視線と、自意識。
少女たちが会話しているシーンのリアリティはものすごかった。本当に自分もその場に居合わせているのかと錯覚するほど、彼女たちの表情や一挙一動は、10代少女のそれであったように思う。
ラストシーンは良かったなあ。
映像も美しかった。
ただ、シンプルに、全くエンターテイメントではない系の作品なので、自分なりに何かを感じようとしなければとても退屈な映画になる。そのつもりで観た方が良いものではある。