KOUSAKA

スクールガールズのKOUSAKAのレビュー・感想・評価

スクールガールズ(2020年製作の映画)
4.2
まず何より、主人公の少女セリアを演じるアンドレア・ファンドスの、まるで原石の輝きのような魅力、これに尽きると思います‼️彼女は今後要注目ですね。日本でいえば(ちょっと古い話やけど)牧瀬里穂や宮沢りえがデビューした時の衝撃か、それ以上やと思います。

しかも、反抗期を迎えながらも、あまり感情を爆発させることなく抑制的にふるまうというセリアの難しい役どころを、表情や瞳の動きなどで表現する演技力も本当に素晴らしいと思いました😵

この作品の見どころは、他の映画では見たことないオリジナリティ満点のオープニングといい、実際にピラール・パロメロ監督自身も4歳から修道院で学んでいたからこその、リアリティとアイデアが詰まったシーンだと思います。

「性を抑制しなさい」という授業シーンの直後に、雑誌の「異性を誘惑するノウハウ」みたいな記事を読んで皆でキャッキャ言ってるシーンが始まるユーモアが楽しいし、他にも「性の萌芽」を暗示するシーンは多く出てきますが、いずれも下品にならない絶妙なバランスで、思春期ならではの青さや無邪気さが、懐かしいような切ないような感覚に包まれます。

他にも、友だち同士のちょっとした会話シーンや、隠れてみんなで煙草を回し飲み(吸い)したり、トランポリンで遊んだりするシーンなどは、少女たちの姿が眩しすぎてクラクラしました。

説明しすぎない、抑制された言葉選びによる脚本も素晴らしく、お母さんが心の奥底にしまっている「秘密」も、観る側の想像に委ねる感じで終わってましたね。

オープニングと円環構造になっているラストシーンの意味に思いを巡らせていると、じわじわと感動が胸の中に広がっていきました😭

スペイン映画を見る機会はそんなに多くありませんでしたが、こんな傑作を日本のスクリーンで見ることが出来て、ただただ感謝しかありません。
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