sanbon

サイコ・ゴアマンのsanbonのレビュー・感想・評価

サイコ・ゴアマン(2020年製作の映画)
3.6
なんで日本語吹き替え版実装してくれてないんだよ!

こんな、チープでナンセンスでアウトローな作品をわざわざ字幕で鑑賞させて頭脳労働を強いるなんて、配給会社は一体何考えてんだ!?

こんなもん、1ミリでも頭使わせたらその時点で負けな映画だって分からないか!?

なんで「サイコ・ゴアマン」の核であり、封印アイテムでもある玉が、サイコ・ゴアマンとセットで埋まってるんだよ!

て、ところ以外はツッコむ事さえ意義をなさない程に、全てが無意味かつ陳腐で、脈絡もへったくれもあったもんじゃないような今作は、それでも売り方次第では今の日本ならワンチャン大バズりしそうなポテンシャルを携えている。

何故なら、今作の持つ質感は言うなればカナダ版「福田雄一」だからである。

この、敢えての手作り感。

すべり芸とも言える大甘なギャグセンス。

シニカルな笑い。

全てにおける雑な仕上がり。

福田雄一を使うなら、「シャザム!」なんてドメジャーな大作映画なんかじゃなく、正にこういうB級作品がうってつけだろう。

なに吹き替え版の製作を全面監修させて、クソ寒いクオリティに堕としてくれやがってんだ!

福田雄一に金のかかった仕事をさせるんじゃないよ!

奴には夜中30分枠の深夜ドラマくらいが丁度お似合いなんだよ!(褒め言葉)

と、全く今作と関係のないシャザム!に対する恨み節(まだ引き摺ってる)をぶちまけてしまったが、要するにこの作品はそういうノリだって事。

8才のちょっぴりお茶目な女の子が、宇宙を滅ぼせる程の力を有した凶悪な怪人を、強制的に従わせられるようになったら…なんて「ヤンジャン」あたりで連載が始まれば即人気に火がついて、あれよあれよとクロスメディア化が進んでいく光景が目に浮かぶようなおいしい設定に、平成初期の特撮のようなルックのモンスターが、ユルいノリでわちゃわちゃ女の子と戯れる作品なんて、今どきの若者なら多分皆大好きな筈だ。

あとは、お国柄が如実に出てしまうお笑いセンスを、日本の価値観にどう落とし込むかによって、この作品は文字通りのモンスターコンテンツに化ける素養は確かにあった。

(どうでもいいけど「トランスフォーマー/ビーストウォーズ」って面白かったよね。)

その点で、福田雄一は今作にとっては適任なんじゃないかなと思う。

しかも、声優が持て囃されるようになった昨今であれば、アテレコする出演声優によっては、そこでもまた大きな話題性を打ち出せた筈である。

だからこそ、この絶大なるポテンシャルを秘めた今作において、日本語吹き替え版をやらないなんて絶対に馬鹿なのだ。

ただでさえ、誰もが真似したくなる変なあいさつをも生み出している本作だ。

やり方一つで、この子はもっとやれる子に育った筈なのである。

あとは、出来ればもっとサイコ・ゴアマンの凶悪さを表現するシーンが多ければ、女の子に対してだけ服従しなくてはいけないその対比にいいギャップ感が生まれて、女の子だけがサイコ・ゴアマンを見下す構図にももっとメリハリが効く事になるので、更に面白さに磨きがかかったかもなぁとも思ったが、
まあ、こんな作品にそんな事マジレスしてもしょうがないから、別にどうでもいいや!

そんじゃ、バイーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!
sanbon

sanbon