雨宮はな

ハッピー・オールド・イヤーの雨宮はなのレビュー・感想・評価

3.0
驚いた!
アンチとはいかないまでも、「本当に断捨離はいいものなのか?そうは思えないな」としっかり伝えてくるじゃないか。

そもそも主人公が取りつかれたように、馬鹿の一つ覚えで「自分はミニマル主義者」「ミニマルにすべき時代なんだ」と繰り返すことに、違和感しかなかった。
解決したようで何も解決していない、物質的な断捨離は彼女の臨むものを引き出せたのか?
最後まで観てから冒頭のシーンを思い起こすと、ものすごく皮肉に思えてくるし、あれは主人公の夢なんじゃないかとさえ思えてくる。

「物の捨て方ステップ」なんて字幕はつくけど、まるで参考にはならないものなのがまた面白かった。
あれは主人公が自分に言い聞かせてる内容なんだということがよくわかる。

断捨離はあくまで自分と向き合うキッカケにしかすぎない、というのがこの作品における定義づけだろう。
断捨離がポジティブな結果をもたらすでも、手法として扱われるでもないことがとにかく新鮮だった。

とことんダメな主人公の「駄目さを認める」修行の一か月。
雨宮はな

雨宮はな