彦次郎

100日間生きたワニの彦次郎のレビュー・感想・評価

100日間生きたワニ(2021年製作の映画)
3.0
タイトルを誤読すると生後100日で死んだワニの赤ちゃんの話に思えますが、青年ワニの生前と死後を描いた動物人間達による感動ドラマです。
原作はTwitterで100日連載された4コマ漫画で刻一刻とオチである死に向かっていく淡々とした日常のリアルさで大反響を呼びました。連載終了後から作品をカネに変換しようと予め電通が仕掛けていたという風説が流れ別の意味でリアルさが反響を呼んだ翌年にまさかの映画化と相成りました。その映画も映画館の予約で悪意ある悪戯がされたり、尺を63分に伸ばす事で興業収入増としていたらしい(60分だと安くしないといけないから)とかアニメ作品なのにリアルな現実での話題が先行したからなのか恐らくは100日間もせずに公開が終了されています。
そんな訳で観る前から駄作の烙印を押されていますが内容自体はそこまで悪くありません。確かにカウントダウンでない故の怠さや新キャラであるカエル君の空気読めない感(あえてワニとの対比でそうされていると思われる)はありますが、前半でワニの思い出から後半で不在による喪失と再構築を描くのは後日談として良かったと思います。少なくともZ級にはあらずです(声も良かったし)。
作品世界ではワニだけ上半身裸だったり男キャラは靴履いてなかったりしてるので警察に御用になったり家の中が土足で汚れてるやろとか感じてしまいますが野暮というものでしょう。ネズミ君と食べるラーメン屋のエピソードが印象的ですが、考えてみると動物が動物材料(少なくともチャーシューは入ってた)を喰らっているのも不思議な感覚です。
配給や金儲け的にムリだったのかもしれませんけど元のカウントダウン方式での発表方法があればユニークな存在として認知されたのではと妄想した次第です。
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