ドラマ版の続きで面白かった。このシリーズは、ドラマを描く上で用意されがちな明確な悪役や障害をあえて出さずにちゃんと人と人との関係や心の機微を掬ってくれるのがとても良い。
身近な人から差別されたり拒絶されたりはしないし、むしろみんな互いに相手のことを思い遣っているのだけれど、それゆえに傷ついたり傷つけたりすることもあるよね、という細かな心情に光を当てて、ちゃんとドラマに仕立てる。
パキッとした起承転結はないが、全体を通していろんなエピソードで描かれるのは「ハッキリ自分のマイナス感情を相手に伝えたほうがいいのか問題」だ。
正月にパートナーを家に連れて行くか行かないかという問題をはじめ、良識ある2人どうしだと「自分が我慢すればいい」「自分が大人になれば丸く収まる」としがちだけど、ちゃんと怒ったり悲しんだりすることも大切だし、それを踏まえて関係性をより豊かにいいものにしていければいいねというとてもいいメッセージだった。