東日本大震災と生活保護の問題を絡めた社会派ミステリー小説が原作の映画で、自分的には小説の叙述トリックが実写でどう描かれるのかが興味であったのだが、心配するまでもなく難なくクリアしていた。映画では特に隠すことなく中盤で明かされるのだが、それはそれでストーリーが色褪せることはなかったし上手くまとめていた。
難を言うと後半が冗長な感じがすること。
前半は小説を短くまとめていて凄いと思ったのだが、後半がちょっと長過ぎる。ラストの海岸で話すシーンなどは要らないんじゃないかなと思った。そこで2人が繋がっていたなんて都合良すぎるもん。
まあそんなところもあったが、ストーリー自体はとても心に響いた。“けい”さんを中心とした、かんちゃん、やすひさ兄ちゃん3人のお互いを守りたい気持ちは凄く伝わって来たし、佐藤健や清原伽耶はこれを観てから好感度がかなり上がった。
ストーリーでちょっと気になるところとしては、映画版では殺された人たちが必ずしも悪い人では無いように描かれているところ。社会制度の悪さを前面に出したかったのかも知れないが、小説のようにやっぱり悪いヤツという設定にしておかないと、ミステリーとしての動機部分が薄くなってしまったかなと思った。
