あっくん

沈黙のレジスタンス~ユダヤ孤児を救った芸術家~のあっくんのレビュー・感想・評価

4.6
U-NEXTで気になっていた作品✨
…でも覚悟して観賞💦(-_-;)

🤹あらすじ
1938年のフランス。
アーティストとして生きることを夢見るマルセルは、昼間は父が営む精肉店で働き、夜はキャバレーでパントマイムを披露してした。

やがて第二次世界大戦が激化する中で彼は兄のアランと従兄弟のジョルジュ、想いを寄せるエマとミラ姉妹と共に、ナチスドイツに親を殺されたユダヤ人の子どもたち123人の世話をすることになったが、その影響で子ども達は悲しみと緊張で笑顔を奪われていた…。

マルセルのパントマイムでども達は笑顔を取り戻し、彼らと固い絆を結でいくがナチスの勢力は日に日に増す一方で、安全な場所が再び失われようとしていた…。

🤹感想
きつかった…そして怖かった…💦💦(;゚Д゚)
ユダヤ迫害・レジスタンス物はやはり辛過ぎる…💦💦
レジスタンス物ではかなり前に観た作品「白バラの祈り ゾフィー・ショル、最後の日々」が凄く印象的な名作ながらも、気持ちがかなり引きずっていたのを思い出します💦
ですが、その時と同様に一つの歴史として知ってほしいと強く願う作品とも思いました。

親を殺された悲しみと孤独による緊張、残酷な体験をした恐怖に傷付いた子ども達…。(序盤のシーンからもう辛かった💦)
そんな悲しみを少しでも忘れさせてくれる様な、周りを笑わせてくれるマルセルのパントマイムは微かな光✨
自分中心な生活だったマルセルも少しずつ変わっていく…。
戦争は戦う事だけじゃなく、誰かを守ろうとする勇気が大切だと感じられます✨

中盤からの展開がレジスタンスグループによる逃亡劇は、いつ見つかるかも分からない様な死と危険の隣合わせな恐怖と緊張感によりハラハラドキドキ💦
そして何より本作の悪であるナチスのクラウス・バルビーの残酷かつ鬼畜な行動は更なる恐怖を植え付ける…(゚A゚;)ゴクリ
拷問シーンは無かったとしても、非人道的な殺戮行為は余りにもリアルでえげつない…。
しかもクラウス自身が残虐性な一面と妻子を愛する一面というまるで鏡の様な存在感にもナチス党の深すぎるダークサイトを感じます。

そして切ないラスト…。
あんな悲しくて哀愁漂う、戦争の傷跡が根深く刻まれた様な表現を露わにした無声のパントマイム…。
戦争という歴史を繰り返してはいけない…。
そして戦争を起きた事を忘れてはならない…。
孤児達を救ったマルセル含めたレジスタンスグループに敬意を払います…。

※気になる点として、マルセル・マルソーがレジスタンスを行っていた時はまだ10代〜20代前半だけど、主役が30代後半のジェシー・アイゼンバーグなのが微妙に引っ掛かった💦(・・;)

🤹実在の人物
本作の主人公で実在の人物マルセル・マルソー(1923年〜2007年)。
幼いころからバスター・キートンやトンチャーリー・チャップリンに憧れ、俳優を目指すが、戦争の為に演劇学校に通うことができなかったマルセルは、第二次大戦勃発後の1942年にレジスタンス活動に参加。
日本語が堪能だった、アメリカ軍、ジョージ・S・パットン将軍の外務係を務める。

戦後に演劇を学び、パントマイムの専門学校を設立した。
白塗りの顔にボーダーシャツ、シルクハット姿というパントマイムでおなじみのキャラクターを定着させた先駆者(パントマイムの神様)として知られ、マイケル・ジャクソンの“ムーンウォーク”は彼のパフォーマンスからヒントを得たというエピソード等もあった。

自身の功績はマルソー本人は自身を英雄視と思わず、亡くなるまで話さなかったが、かつての活動仲間でもあった従兄ジョルジュ(当時106歳で、作品の仕上げにかかっている最中の108歳で亡くなった)の証言や膨大の資料をもとに映画が作成されたとの事。

また、“リヨンの虐殺者”と呼ばれたクラウス・バルビー(1913〜1991)。
戦時中にユダヤ人狩り・レジスタンスへの拷問・同性愛者やジプシー、障がい者たちの殺戮を行い、8,000人以上を強制移送により死に追いやり、4,000人以上の殺害に関与し、15,000人以上のレジスタンスに拷問を加えた責任者とされているが、しかし実際にはこの数字をはるかに上回る数のレジスタンスのメンバーやユダヤ人を虐殺した責任者と考えられている。
また、孤児院に収容されていた44人の子供の虐殺に対する責任者でもあり、
たいへんな数の人を死に追いやった親衛隊大尉としては残酷極まりない人物であるが、そんな彼が戦後直ぐに裁かれることなく50年以上も生き延びたという事実…。

🤹キャスト
・監督はジョナサン・ヤクボウィッツ(ハンズ・オブ・ストーン)

・マルセル役のジェシー・アイゼンバーグ(ゾンビランドシリーズ、グランド・イリュージョンシリーズ、ソーシャルネットワーク、ジャスティス・リーグシリーズ)

・エマ役のクレマンス・ポエジー(テネット、ハリー・ポッターシリーズのフラー、明日は最高のはじまり、127時間)

・兄アラン役のフェリックス・モアティ(1640日の家族、シンクオアスイム)

・エマの妹ミラ役のヴィツァ・ケレケシュ

・従兄弟ジョルジュ役のルーリグ・ゲーザ(サウルの息子)

・クラウス・バルビー役のマティアス・シュヴァイクホワー(レッドバロン、ワルキューレ、アーミーオブザデット、アーミーオブシーブズ)

・孤児エルスベート役のベラ・ラムジー(ジュディ 虹の彼方に、ザ・ラスト・オブ・アスシリーズ、ゲーム・オブ・スローンズシーズン6)

※少しの出演での大物俳優では…

・エルスベートの父役にエドガー・ラミレス(355、バンテージ・ポイント、ボーン・アルティメイタム、ゼロ・ダーク・サーティ、ジャングル・クルーズ)

・ジョージ将軍役のエド・ハリス(トップガンマーヴェリック、僕はラジオ、ゴーン・ベイビー・ゴーン、崖っぷちの男、ビューティフル・マインド)
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