ビターチョコ

カメラを止めるな!リモート大作戦!のビターチョコのレビュー・感想・評価

3.6
YouTubeで公式に無料(!)公開中。
30分弱の映像作品。
映画『カメラを止めるな!』(以下、カメ止め)の楽しい後日談的な短編作品で、コロナの外出自粛に合わせた企画ものの短編ムービー。流行に合わせた内容で、「作者の上田監督は才能があるなァ」と思った。

商業映画はビジネス。
「流行に敏感なこと」は、ビジネスで最重要の一つ。
流行に鈍感な私は貧乏…だから無料で観られるから観て、期待どおり面白かった。

「DVD特典映像の超豪華版!」
みたいな短編だから、『カメ止め』が好きな私には嬉しい内容だった。

では、ちょっとネタバレ進行で。
キャラクターを書いてみたい。

娘のキャラが『カメ止め』版は嫌いじゃないが、今回のでは嫌いになった。他者に偉そうに注文つけまくって、監督向きなんだろうが嫌われる監督タイプだろう(キャラ設定がそれなだけで、役者さんの性格は全然ちがうはず)。

母親は今回も楽しそうだ(海外で恋してる設定か?)。
父親の監督は、印象が薄かった。中間管理職の悲哀みたいなキャラ設定。周りから「できるのォ?」と突っ込まれるキャラ。

TVプロデューサーの関西のおばちゃんは、今回も楽しいが苦手。
ラインプロデューサーの男性は、相変わらずビジネスマンなとこが楽しい。

良かったのは、神谷と松本逢花。
神谷の役への(いい意味での)こだわりは好きだ。
「よろしくですー」の逢花は、近くにいたらすごく困るし、それに意地悪したくなるキャラだけど、遠くにいるなら楽しいキャラ。

●余談1
ツイッターでタグつけてツイートしたら、公式アカウントから「いいね」がついた(すばらしい)。

●余談2
流行に敏感なことは、映画という見世物の作り手としては「才能だなァ」と考える。だが私は普遍的な作品が好きだ。
流行に合わせた作品は大ヒットの可能性が高いだろうが、逆を言えば…「流行に敏感なほど古くなりやすい」というのは常識では? 特に(安直な)アイドル映画は古くなりやすい気がする。「たのきんトリオ」や「チェッカーズ」が主演の映画なんて、いま、誰が観る? 当時の大ファンでも観ないんじゃ?

上田監督は才能がある人。
『カメ止め』は(私にとって)傑作。
なので、また傑作で楽しませて欲しい。

●余談3
時代劇は古くなる?
時代劇だから古くならないのでは?
サムライが出る時代劇は古くならないのでは?
そんなことは無いだろう。たとえば黒澤明の『七人の侍』を、海外の映画通の人が字幕で観た時、21世紀の映画とは思わない気がするのである。

1954年の映画だから、もう65年以上も前の映画だが、それはすぐ判る気がするのである。「白黒だから」というわけじゃなく。

●余談4
製作費は10万円? わからない。
本当にスマホ使用なら、その程度で作れたのかもしれない。
がっ…役者のギャラが意外に高額かもしれない。わからない。

たぶん、みんな楽しんで作ったんじゃ?
2020年の10年後、30年後、50年後……「あの頃は楽しかった」と、スタッフとキャストたちにとって「いい思い出になる映画」の気がする。『カメ止め』の人たちだから。
もちろん、私のように(無料で)観ただけの人にとっても。