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ブレスラウの凶禍のblacknessfallのレビュー・感想・評価

ブレスラウの凶禍(2018年製作の映画)
3.9
中世の拷問を模してた連続殺人鬼、被害者には簒奪、中傷と彼等の罪を示すタトゥー彫られていた。明きからに殺害を世間の目に晒すことを意識したショーアップした殺害方向。
完全に『セブン』を意識したポーランドのサイコ・サスペンス。
90年代悪趣味ブームの洗礼を受けた者なんで、このアウトラインだけでも無視はできない笑
グログロでサイコで漆黒なものが時々欲しくなる。

とても楽しめた。何と言ってもショックバリューが高いのがいいね、拷問で屈折、切断された遺体のグログロしく禍々しいヴィジュアルが素晴らしかった。久しくこういうのを観てなかったせいもあり鮮烈に感じた。

ストーリー展開と犯人像もよかった。事件を追う女性刑事の過去が犯人の情念とシンクロして導かれるラストは安直にも見えるけど、スリルとミステリー性を担保するのに有効でよく考えられていたものだと思う。
犯人は『セブン』のジョン・ドゥーと同じ腐敗し堕落した世界への怒りと絶望なんだけど、ジョンのように哲学的で観念的なものではなく、個人的な復讐でターゲットを選んでいる。
『セブン』のようにその罪を象徴している誰かではない。彼等をこの方法で殺られければならない痛切な想いがあった。
なので、ちょっと韓国の復讐劇、パク・チャヌクの『親切なクムジャさん』的な暗い情念があり、それが『セブン』の亜流で終わらないオーラを放っていた。

あまり期待してなかったけど視覚的にもメンタル的にもショックバリューが高く繰り返すがとても楽しめた。
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