イベリー子豚

神在月のこどものイベリー子豚のレビュー・感想・評価

神在月のこども(2021年製作の映画)
3.1
『走れメロス』×『千と千尋の神隠し』+『鹿男あをによし』(日本の神話)
=むむむ……
壊滅的に映像が弱い、オリジナリティと
ユーモアの欠片もない世界線の
近年の細田守監督作品みたいな……。


不満点

・キャラクターデザインが古い。
あんな前髪をなぜ採用したのか?
パーカーもレントン・サーストンだし
時代に合わせて中性的にしたかったとしても
魅力を感じないです。
さらに今どきならランドセルが赤黒2色展開て。
あと父兄参観型・校内マラソン大会という行事も謎。
男女同時スタートなのも変。

・トレンドカラーを採用?
多分、クライマックスや神様とのコントラストだと
思われますが、くすみ過ぎ。
人物、衣装、街並み、天気などあまりにセピア。
アニメなのに絵が死んでます。

・「韋駄天」=マラソン=「走る」なのに
速そうに見えない。
これまた「普通の子」という設定なのかもですが
とりあえず止まったような作画で
ヌルヌル感ゼロないかがなものか。

・ロードムービーとしてご当地感があまりない。
時間の流れもほぼ止まってるせいで
夕焼け、朝日、星空、夜景など景色が代わり映えしない。

・参道センター歩き等(韋駄天だから?)、
参拝ルールに関して全然言及してない。

・美味しそうな料理が出てこない。
映画というかアニメなら特にここが一番大事じゃないかな。

・人間描写が足りてない。
母娘も父娘も夫婦もエピソード不足なので
主人公の苦悩が伝わりヅラい。
よって終盤の「言うはずがないだろうがそんなことを!!俺の家族を侮辱するな!」の逆張り展開はマジ頭を抱えるしかない。

・全体的にフワフワしてる。
神事が失敗した場合のペナルティが曖昧。
なので緊張感も特にない。
台風も取って付けたようです。


好きなところ

・音楽がよい。
『この世界の片隅に』、Honey Works の『大嫌いなはずだった。』っぽくてとても好き。
劇伴含め3曲もmiwaちゃんが聴ける。

・神社(東京?~出雲間)を少し探訪できる。



とにかく絶望的に脚本が良くない気がします。
 
今年公開の『岬のマヨイガ』が
ふしぎっと(妖怪や神仏)、家族の喪失、
心の闇を丁寧に優しく、
ご飯はひたすら美味しそうに表現されてたので
相対的に力不足に感じました。


と言うことで
小学6年生の女の子に「ひた向きさ」「純粋さ」
「冒険からの成長」を期待して観ると
中盤まで恐ろしくストレスがたまるので
《miwaちゃんを堪能するためのオマケ》ぐらいの
心持ちでの鑑賞をオススメします。



あと
事前の劇場予告が『プリキュア』、『すみっコぐらし』、『謎のアニメ』だったので
こちらも対象年齢がかなり低いと思われますが
それにしても子どもの感受性を少し舐めてる気がしました。