鎌谷ミキ

哀愁しんでれらの鎌谷ミキのレビュー・感想・評価

哀愁しんでれら(2021年製作の映画)
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【世の中みんな自分の居場所に麻痺するんだよ。初めは抵抗があっても、いずれ痛みなんて感じなくなるもんさ】

うわーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
こわい怖い恐いコワイこわapk5uj8vwtm(文字化け)

トレンドの流れに乗ってみたんだけどさ。本作に込められたメッセージが非常に怖くてですね…精神的にクるわ。

本作の鍵となるのは、母親に捨てられ父子家庭で育った土屋太鳳ちゃんの生い立ち。"最低な妻"を事故で亡くした田中圭くんの、度が過ぎた"過保護"?なかなか上手い言葉が出てこないけれど。作中にモンスターペアレンツが出てくるんですけど、そこが対比とまでしかいえない…

渡部亮平監督は『3月のライオン』の脚本されてたんですよね?なんなんですか、この変化球だらけのオリジナル脚本作品。ラスト、あんなの予想しないじゃないですか…


別名「子育てネガキャン実施中☆」いやいや…特殊な例やから。これが"普通"にまかり通るわけじゃないから。一つ一つ確認していきます…

☑父子家庭育ちと父子家庭の組み合わせ
→かなりレアケースじゃないでしょうか。母親の愛情を知らない太鳳ちゃん。そして、オマケは圭くんは実の母親を憎んでいる。それで度が過ぎてしまうんだろうな…

☑出会って一ヶ月で開業医と結婚。かつ、一児の母親になる太鳳ちゃん
→もう、この状況が"シンデレラ"といわんばかりの。二人の出会い方は要注目です。シンデレラ婚といってる割になんか不穏…太鳳ちゃんは児童相談所の職員なので、子どもには慣れています。

☑小学校2年生とは思えない思考の持ち主、COCOちゃん。
→ここからミステリースリラーなのでネタバレになるんですけど。検索したら、フィクションといえなくもないのも、怖い…太鳳ちゃんが"理解できない"という描写が多くされるんですけど、実父ですらわかってないのに誰も理解できないと思いますよ…

…本作は映画的には上手くできています。これは高評価に値する。しかし、内容としては手放しで喜べない。それはつまり、夫婦と同じように私も子育てをしているから。なので、絶対に許されてはいけない。両方が合わさって初めて映画は評価できると思ってるから、私からスコアはつけない。

【怖がり度 ★★★☆☆】
理由:ありえないがあり得る世の中。ラストはやりすぎ感は否めないけれど、そこに至る過程がホラーである。太鳳ちゃんが3度オファーを断る理由、知ってみてください。
鎌谷ミキ

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