Kachi

キングダム2 遥かなる大地へのKachiのレビュー・感想・評価

4.0
【スケールを広げた二作目】

原作未読。前作も堪能したが、まだ物語は始まったばかりという印象だった。本作も、まだ物語の途中ではあるが、展開の起伏が絶妙であり、すっかり作品世界に没入してしまった。

信の目線で本作を見ると、戦場で武功を上げて「天下の大将軍」になるという、少年期からの考え方を改める契機と位置付けられる。歩兵としての目線から大将軍としての目線までを一通り追体験できるのが、本作の魅力の一つであり、鑑賞者自身が丘の上で戦闘の大局を俯瞰しながら、戦闘を見る視座を高められる。

今回、清野菜名が演じた羌カイも本作の魅力を上げることに貢献している。短時間の中で彼女の幸薄い生い立ちと戦う理由が示され、超人的な戦闘力で殿(しんがり)を務めるシーンは、文字通り息を呑む展開だった。

まだ、秦が中国大陸を一つに治めるまでの道のりは長い。劇場版はどのように着地させるのか?すでに結果のわかっている歴史物でありながら、やはり過程にこそ学ぶことが多いと直感するからこそ、本作もまた見逃せない作品シリーズとなった。
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