芹沢由紀子

イングリッシュ・ペイシェントの芹沢由紀子のレビュー・感想・評価

2.8
好きか否かでいうとこのスコアの低さです
シド・フィールドという人の脚本術の本を読んでいて、課題として
・サイドウェイ
・テルマ&ルイーズ
・普通の人々
・ボーンスプレマシー
などいくつかの課題映画を見て構成を分析せよ、という練習問題の中の作品群の一つにこれが上がっていたので選んでみてみました。
課題でなければ、一生見なかったと思います。

観る前の勝手なイメージ→イギリス人の工作員が陰謀などに巻き込まれていくスパイアクション&サスペンス

実際観たら→甘美な幻想的なひとりよがりのラブロマンス

でありました。
構成は一見複雑で、戦時下のイタリア、エジプトなどを舞台に、2人の主人公の時間が交錯し(一方は瀕死の主人公の方の回想シーンとして)、いろんな人間模様を巻き込んで最後は大円団。


以下ネタバレありですご注意を!

ジュリエット・ビノシュは、いままで見た映画の役全部好きじゃないし、好きじゃない女優さんだけど、この役はいいねと思いました。
死んでゆく火だるまの男も、最終的にはあんな燃え上がるような大河ロマンな恋愛を経験したのなら、満足して死んでいけると思うし、善人キャラは不幸になってほしくなかったので安心したし、あまり心はえぐられない。
遠い国のおとぎ話を見せられた感じ。美しい舞台だしお洒落な画面で主要人物は全員美形。
ただ、不倫でおいしい思いをした代償は大きいな。妻が不幸になっても全然悲しくない。不倫は誰からも応援されない。
あんな孤独な死に方は絶対に嫌だもの。
芹沢由紀子

芹沢由紀子