『なまいきシャルロット』を久しぶりに見たくなりました‼️監督自身もパンフレットのインタビューで大好きな映画として取り上げてますね。
この『スザンヌ、16歳』は、鑑賞直後よりも、少し時間が経ってからじわじわと心のひだに染みてきました。
余分なものは排除して、16歳の少女の恋心とその感情の揺れ動きにフォーカスを絞ってビシッとまとめ上げていて、デビュー作ならではの初期衝動を強く感じるなかなかの傑作やと思います。
監督・脚本・主演のスザンヌ・ランドンが実年齢より大人っぽく見える人なので、パッと見では16歳の設定には見えんかった。最初、お姉さん役の人、スザンヌの妹やと思ってたくらい😆でも時々見せる無邪気な笑顔を見て「あ、16歳やった」って思い出す感じやった。
当時15歳の少女だったスザンヌ・ランドン監督が紡いだ、大人の男性との恋の物語ということもあって、ストーリー的には少し少女マンガ的な「夢想」度が高いかな~とは思いました。35歳の男性が、果たして16歳の少女に興味を持ってしょっちゅう会ったりデートしたりするようになるかな~と、自分の中のリアリズムがジャマをしてしまうんです。
でも、そんな設定の非現実性うんぬんよりも、スザンヌの心に生まれた恋の感情だけは絶対的に「真実」で、絶対的に「リアル」なんだという力強さを徹底的に見せてくれるところが、この作品の最大の魅力だと思います。
あとスザンヌが、必要以上に映画的な「こじらせキャラ」ではなく、両親やお姉さんと仲良かったりして「普通の子」なのもリアルで良かったです。
好きなシーンはたくさんありますが、ラファエルとダンスした時にスザンヌが涙を流したシーンが一番切なかったです。一見、恋が成就したようにも思えるこの瞬間、スザンヌの中では早くも「終わり」を感じたからこその涙だったのかと思うと、胸が張り裂けそうになりました😭
そうだとすれば、あのオープンエンドなラストシーンの意味もおのずと見えてくるというもの。ここまでたったの77分。恐るべし‼️
スザンヌの部屋に飾られていた「Suzanne」というタイトルのポスターがずっと気になってましたが、これは『愛の記念に』という映画だそうです。思春期の15歳の少女が傷つきながら成長してゆく姿が描かれていて、監督自身も大好きな作品らしいので、関連作品として近いうちに見てみたいと思います。